読書日記ふう
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第1話 そっか哲学だったのか!
『誰だってちょっと落ちこぼれ』

第2話 親と子、それから……
『流星ワゴン』

第3話 経営に役立つ会計
『餃子屋と高級フレンチでは、
どちらが儲かるか?』

第4話 進化する未来を創る経営者たちの物語
『未来を変える80人』

第5話 精神科医療の希望
『救急精神病棟』

精神科医療の希望

『救急精神病棟』-
野村 進 著(講談社+α文庫)

著者・野村進氏は、『コリアン世界の旅』で大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞を受賞し、最近では『千年、働いています』(角川oneテーマ21)が話題を呼んでいる。

その彼が、2000年末から2003年まで、断続的に日本初の精神科救急センター「千葉県精神科医療センター」を取材し、上梓されたのが本書だ。

むかしから、「精神病になった人の言動を読む」ことは好きだった。こういった言い方は失礼かもしれないが、その常軌を逸した言動を単純におもしろいと思っていた。と同時に、「自分も人間としてこうなる可能性を秘めているんだ」という恐怖がもたらす高揚感があったのかもしれない。

本書では、精神病自体をテーマとして取り上げてあるのではなく、精神病をとりまく現在(2003年当時)の状況と問題が取り上げられている。司法との関係、他の病気との関係、精神病院がかかえる地域との問題、治療方法の問題……。

精神病院では、患者は、薬漬けにされ、思考能力などすべて奪われ、夜には鉄格子の部屋の中、ベッドにしばりつけられ、叫び声をあげるんだなどという、ひどいイメージを抱いていたのだが、少なくとも、本書を読むことで、そんなところばかりではないということを知ることができた。

日本において、すべての病院入院患者総数が約140万人、そのうち精神病院で入院している人は約30万人。つまり、日本の入院患者のほぼ4人に1人は精神病患者である(本書より)という事実。

いつ、自分がそうなってもおかしくないような現代の社会環境の中で、本書に出てくるような病院があることは非常に心強いし、また、精神病院とその病気の実態をきちんと知るということは、とても重要なことではないだろうか。


オススメ度:★★★★


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